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神通川のサクラマス釣り、いまだ解決せず
日本の釣り環境を守る会・代表 木村武義(きむらたけよし)
フライフィッシング歴23年/サクラマス歴5年




 富山県神通川のサクラマス釣りは、私たち「日本の釣り環境を守る会」の行動によって遊漁規則の改正を行い、70名という限られた人数ですがとりあえず釣りを楽しむことができるようになって、3回目のシーズンが巡ってきました。詳しい内容はマインドアングラー13号と14号をお読みいただくとして、私たち日本の釣り環境を守る会が、今日までいかに神通川を管理する富山漁業協同組合と話し合いを続けてきたかをお知らせしましょう。


希望に満ちた交渉

 遊漁規則の改正を行った平成11年は、神通川の規模にふさわしいわが国屈指のフライフィッシングのフィールドとしての解放をめざし、意気盛んに漁業協同組合と交渉を続けていました。漁業協同組合は、ルアー釣りでの密漁を憂いうるあまりにか、フライフィッシングオンリーにしたいとの意向を強く全面に押し出していました。私たちは、この国のサクラマス釣りの将来を思えば、子供でも簡単に釣れるルアー釣りよりも、釣れなくてもプロセスを楽しむことのできる、フライフィッシングを広めることが不可欠だと思っています。

 すでに欧米にあっても、フライフィッシングオンリーとなったフイールドはあまたあります。先進各国では、なぜルアー釣りを禁止し、フライフィッシングオンリーとなっていったのでしょうか。説明に言を待たないことでしょう。ルアー釣りは釣れすぎるからです。

 わが国は、先進各国に習い学ぶことによって進歩してきたことは、何も釣りの世界に限らないのですが、少なくなる一方のサクラマスの釣りを思えば、早急にフライフィッシングオンリーとしなければなりません。

 ひとつ興味深いことがあります。わが国固有の釣りである、鮎釣りにしてもほとんどの川でコロガシ釣りは禁止され、友釣りオンリーとなっていることです。理由は、コロガシ釣りにもルアー釣りと同じ要素が存在するからです。つまり、漁業協同組合さえ高い目標をもつことができれば、釣りの「秩序ある規制」は容易にできるのです。


組合員による網漁からルアー釣りへの転向

 こうして私たちは、困難ですが希望に満ちた交渉を進めていました。ところが、神通川では驚くべき現象が起きてしまったのです。人手を借り、船を出し、重い網を投げるエネルギーに比べ、ルアー釣りはなんて手軽でしょうか。網漁でしかサクラマスは捕れないものと思いこんでいた漁業協同組合員にとって、ルアー釣りは驚異的な漁法と目に映ったのです。神通川では、網漁からルアー釣りへ転向する組合員が続々と出現するに至ったのです。


神通川に明日はあるのか

 平成13年は、386名のサクラマス釣り希望者がおりました。平成11年は220名ほどであったことを思えば年々希望者は増える一方です。それに比べて組合員には実質的な規制はありません。これを不公平といわずして何を不公平というのでしょうか。私たちは声を大にして不公平を訴えました。しかし、組合員によるルアー釣りの転向が多くなるにしたがい、漁協の幹部からはルアー釣り禁止の声は小さくなってしまいました。「もし、ルアー釣りを禁止したいのなら、日本の釣り環境を守る会がルアー愛好者の了解をもらえ・・・」などなど、漁業協同組合の本来の役割を忘れ、あきれるしかない言葉が漁協の幹部の口から出てくるしまつです。

 議論はまったくかみ合わなくなってしまいました。いや、もともと漁業協同組合員は議論はできないのでしょう。「サクラマスはおれたちのものだ・・・」とした、感情むき出しの怒鳴り声まで発する漁協幹部さえいる始末です。もはや、良識ある話し合いは期待できなくなってしまったのです。


日本の釣り環境を守る会」はどこへいくのか

 神通川に明日はない、と残念ながらお伝えしましょう。「日本の釣り環境を守る会」は、問題が山積したこの国の釣り環境を守るための努力は惜しんではならないと思っています。私たちは、神通川での活動に一定の自己評価を下しています。そして、新たな気持ちをもって、新潟県の全面解放や、秋田県の遊漁期間延長に働きかけを行っていくつもりです。


日本の釣り環境を守る会・代表 木村 武義
 



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