何が悪かったのか
オフシーズンは大いに頭を悩ませた。ポイントも数多く知った、道具も揃った、去年よりはポイントに届く回数が多くなった、それなのになぜ?
その時導き出した答えは、去年と最も意識して変えた、釣り方であった。私は沢田さんのキャスティング後の動作を完全に真似して釣りをしたつもりだった。何故あの構えなのだろう。淡々と手返し良く、まるで機械が作業でもしているようなつもりでラインを投げ、流し、そして手繰った。これがいけなかった。
まずは水中のラインとフライの状態を思い浮かべた。大川の流れはコンクリートの水路を流れているように見えて、必ず魚の付く変化のある場所がある。慣れないとあの広大な流れから変化を見つけ出すことは難しいが、それでも何回もキャストを繰り返していれば変化が読み取れるようになる。そこで何も考えずに機械的な流し方をしていて釣れるのか、作業のような動作で魚は反応するのか、釣れたとしてもそれは偶然でしかない。沈み石があると解っていたら、スイングのスピードを変えたり、リトリーブしたり、または放って置いたりして魚の食い気を誘う動きを演出する。そう考えたら自ずと投げる方向やラインの沈め方を変化させなくてはならない。私は沢田さんの何を見ていたんだろう。淡々とキャストを繰り返しているようで、実は一投として同じ釣り方をしていないと言うことに気が付いたのだ。
このことは魚を釣る為に何が必要なのかを考えるきっかけとなった。 |