ウェットフライで狙う初夏のサクラマス
依田 千秋(よだちあき)東京都在住
フライフィッシング歴10年/サクラマス歴4年


Data of My Fish
魚種 Species サクラマス
体長 Length 49センチ。もう一匹は45〜6センチでした。
体重 Weight 無計測
ロッド Rod Capras Artista Grilse
リール Reel SUSSEX Salmon II Silver
ライン Line DST Greased Line Floating #10
フライ Fly & Hook Size TD4 #6 に巻いたピーコッククィーンとダンケルド
ドロッパーはSL3の#8に巻いたマドラーミノー
釣れた日 Date of Catch 2000年7月
釣れた場所 Place of Catch 絶対に秘密!

Peacock Queen

IMPRESSIONS
ウェットフライの魅力
 今年はこれで最後にしようと、雪代が落ちて水量が減っているのを承知で出かけた。もちろんサクラマスを狙って。
 減水期用に新調した「グリルス」にサーモンII、そして新しいDSTのフローティングラインをセットして、静かに川に入った。ダブルフック#8に巻いた「グラベルシュリンプ」をリードフライに、ドロッパーにはロングディー#8に巻いた「マドラーミノー」を結ぶ。釣り始めると、スペースシューターに慣れた体が「グリルス」のスローなアクションに戸惑うのがわかる。それでもストロークをうまく合わせてやるといい感じになってくる。「グリルス」と新しいシューティングヘッドのおかげで、キャスティングは実に軽快だ。向かい風の中でも結構いい勢いで飛んでゆく。10番とは思えない程パワフルだ。軽いロッドで快調に釣り下る。

ピーコッククィーン
 しばらく釣り下ると流れがゆるくなり始めた。フライがどうも沈みすぎる感じがする。グリーズライナーのためだろうか。リッフルヒッチをしようかと思ったが、これがいまいち好きになれない。フッキングに少し不安があったが、シングルフックの#6に巻いたピーコッククィーンを結ぶ。
 流れはいよいよゆるくなり、フライが思うように流れなくなってきたので、少しでもドラッグがかかるようにラインを操作する。するとウグイのあたりがぽつぽつ取れ始める。やはり沈め過ぎたのだろうか、それとも軽いシングルフックはいい泳ぎをするのだろうか、などと考えていると自分の斜め上流で大きいライズが出た。釣れっこないと分かっていても、すかさずラインを回収しそこにキャストしてしまう自分に思わず苦笑する。
 しかしそんなことで釣れるはずはなく、気を引き締めて魚の気配が濃厚になってきた核心部を目指す。対岸のテトラの変化で出来た大きな流れのヨレの上流にフライを落とし、すかさずロッドを岸に向け、ラインのテンションをかけて流れを横切らせる。

 われながら「絶妙!」と思った途端、「ググン」ときたのは良かったが、間髪入れずにあわせをくれてしまい、全身に冷たい汗が噴出した。しかし幸運にもロッドにはまだ魚の感触が残っている。安堵しながら丁寧にリールを巻く。魚はそれほど大きくなさそうなので「ウグイであってくれるなよ」と祈る。近づいてきた魚体は紛れもない銀色でほっと一安心した。
 何度もラインを引き出されたが、「グリルス」はいい仕事をしてくれた。魚がネットに収まった瞬間、歓喜の雄叫びを上げてしまった。口端にきっちり刺さった「ピーコッククィーン」がいつもより頼もしく見える。いまさらながらウェットフライの持つ力に驚かされる。いけすを作り、写真を撮ってリリース。去り行く後姿に思わず手を振ってしまう。49センチのスリムな魚体でした。

ダンケルド
 翌日も同じプールに同じフライ、そして同じ流し方をする。しかし反応はない。リードフライにシングルフック#6に巻いた「ダンケルド」を結び、今度はゆっくりとリトリーブしながら流してみた。すると昨日より少し下流で水面が爆発! かかった瞬間から、魚はローリングし、走り回る。一瞬何が起こったのか理解できず慌てたが、踊り出た銀色の魚体を見て、自分に「落ち着け」とうながす。今までになく走り回るその魚は上流も下流も関係ないようで、ウエーディングしている私の回りをぐるぐる回り、まったく弱る気配がない。だんだん不安になってきてついに自分の目の前に来たところをネットで押さえつけてしまった。うまくネットに入りなんとかランディングに成功。
 昨日より少し小さい魚だったが、いけすを作ってカメラを向けた瞬間、暴れてレンズに水をかけて逃げていってしまった。悔しくもあったが、自分の釣りがまた一つ完結した喜びで一杯だった。来期に向けて、とてもいい形でシーズンを終えることが出来たと思う。


スティングレイで釣ったシーズン最初のサクラマス


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