ワイルドキャナリーで念願の尺ヤマメ!
鳴海 剛(なるみごう) 青森県在住
フライフィッシング歴1.5年/サクラマス歴0年




Data of My Trophy
魚種 Species ヤマメ
体長 Length 30cm
体重 Weight 計測せず
フライ Fly & Hook Size ワイルドキャナリー DU2 #10
リール Reel SUSSEX 56 Green
釣った日 Date of Catch 2000年9月2日 12時頃
釣った場所 Place of Catch 秋田の秘密の川

Wild Canary
DU2 Golden Spinner #10

IMPRESSIONS
フライで初めての尺ヤマメ!

 10番のワイルドキヤナリーは流心の早い流れをものともせずに、水面にフワリと乗ったまま滑るように岩盤へ向かう。強い流れは岩盤へ真っ直ぐにぶつかり、そこに現れる盛り上がるようなうねりにかすかな水しぶきが揚がる。激しい流れに派生する波しぶきに以た、しかしそれとは微妙に違う何か動物的な水しぶきが起きるのと同時にワイルドキヤナリーが視界から消える・・・・・。
 アドレナリンの充満した頭脳のためか、見えている景色がスローモーションで動く。辺りの空気の流れも、水の音も感じない、先ほどまでとは違う異次元の世界に飛び込んでしまった。集中しすぎるあまりに、ぼんやりとした意識の中で「出た!」「でかい!」「引っ張り出して!」という声が微かに聞こえる。10ヤード程の距離だろうか、半ば強引にラインを手繰ると淵の奥から尺を優に越えたヤマメがゆらりと姿を現す。
 精悍な顔をした雄ヤマメがネットへ滑り込んだ瞬間「尺2寸」を確信した。メジャーをあててくれた師匠・鷹屋敷富士夫の「尺だ、尺!」という声に耳を疑った。メジャーの目盛りを二度、三度と見直す度に徐々に陶酔状態から覚めていく。どうも、恥ずかしながら自分の釣った魚がでかく見えてしまうのは、自分のエゴのせいなのか、それとも欲張りな釣り人の性なのか、はたまた未熟なフライマンに対しての山の神の悪戯なのか。
 しかし、雄の尺ヤマメだけがもつことのできる、あの自信に満ちた顔っきに思わず見とれてしまう。釣り人だけに与えられた至福の時間に思いっきり浸る。
 興奮さめやらぬまま写真を撮っていると、鷹屋敷富士夫は同じ流れの奥から尺一寸のイワナを引き出す。「さすが」と感心すると共に、その技量にジェラシーを覚えてしまう。
 その後は私も尺一寸のイワナを追加して予定のコースを釣り終え、渓を後にした。帰途の車中では、適度な疲労感のなか今日起きた出来事を何度も何度も頭の中で再生しながら喜びをかみしめていた。

 フライで釣った初めての尺ヤマメとの一部始終は、今でも私の脳裏に深くきざまれている。フライをくわえた「36センチ(尺2寸)」のヤマメが清列な流れの中を踊っている・‥・。悪戯な山の神に感謝したい。

--- Photo by F. Takayashiki ---








尺一寸のイワナも追加。最良の日。




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