| IMPRESSIONS
憧れの地へやって来た感慨にふけっていた私は、何かがラインを引いている感触に我に返りました。それは想像していたような小さなアタリではありません。
対岸に沿って流れる流心にフライが落ちて数秒後、私のフライをひったくって行こうとするアタリがありました。明らかに流木などとは違います。そっとロッドを岸に向けて倒し、水面にささったラインを見つめ、魚が走ってくれるのを待ちました。
フッキングが完了したという判断など出来るキャリアは持ち合わせておりません。イチかバチか、ロッドを持ち上げファイティングのゴングを鳴らしました。さあ 大騒ぎの始まりです。
ギリーのサイモンは『川から上がれ、もっと速くリールを巻け』と英語でまくしたてます。足元とラインを交互に見ながら必死でリールを巻き、岸に上がりました。走り出したサーモンは水面にささったラインとは違う方向でジャンプしています。やっとの思いでサーモンを岸際まで寄せても、カン高いリール音を響かせて、あっという間に数十メートルも離れて行ってしまいます。何度も巻いては引き出されを繰り返し、サイモンの差し出したネットにやっとのことで納まりました。その瞬間、私はその場にへたり込んでしまいました。
とても小さなサーモンですが、私にとってのファーストサーモンです。
サイモンが持ってきたネットをよろこびいさんで覗いてみて、ギョッとしました。何とフックが外れていたのです。紙一重?ミラクル?不思議!と口々に(言いたい放題のことを)言われていましたが、フレッシュが釣れた喜びで耳に入りません。が、よく見るとトレブルフックの3本の内2本が欠けていました。残った一本で上げたようです。正に紙一重でした。
この3日後にシーライス付きの小さなフレッシュをアクアマリンで釣りましたが、小さい割りによく暴れました。やはりフレッシュは強いんですね。
緊張しっぱなしの6日間でした。釣れたのはトータルで4匹。1匹も釣れないのを覚悟していたので、大変満足です。
この場を借りてお世話になった方々にお礼を申し上げます。沢田さん、マリアンさんには事前に沢山のアドバイスを受け、何の不安も無く日本を発つことができました。
NFC、ストーレンホテルの皆さんには、やっかいなトラブルを抱えた私たちをとても親身に面倒をみて下さり感謝の念に絶えません。願わくばまた来年ガウラへ行き、今度はビッグサーモンを釣ってご親切に報いたいと思います。
|