| ダンケルドに来た念願のトロフィー! 大物を狙い始めて数年。今シーズンは、やっとの思いで遭遇した大物を2匹も逃してしまい、悔しくて仕方がなかった。禁漁を間近に控えた9月、逆転を狙って通い慣れた渓流に出かけたが、釣れたのは小物だけ。このまま帰るのは癪にさわるので、友人を説得し、以前少しばかり釣ったことのある本流へ寄ることにした。川は平水で、見るからに釣りやすそうだ。しかし時計の針は、間もなく5時になろうとしている。私は慌てて河原に向かった。暗くなるまであと1時間くらいしかない。目当ての大きなプールは、流芯の直ぐ脇に大きな岩が沈んでいて、いかにも大物が好きそうな陰を作っていた。
なにぶんにも時間が無かったので、私は大物専用のリーダーをワレットから取り出し、直ぐに釣り始めた。0Xのリーダーの先に6番のグレートセッジ、ドロッパーも同じく0Xに結んだ6番のダンケルドだ。目当ての大岩の陰にフライを泳がせると、コツンと小さな当たりがあった。しまった、流し方が悪かったか。しかしこのフライに触るのは大物しか居ないはず。私は、流芯から岩陰に向かってフライが滑らかに泳ぐよう、ラインをもう少し伸ばして再度トライした。勢いよく流芯を横切ったラインが岩の陰に入り、間もなく離れそうになった時、ドッカーンと今まで全く経験のない強烈な当たりに、ロッドが引ったくられそうになった。
懸命に体勢を立て直すと、今度は流芯に張り付いてびくとも動かない。恐る恐る引き寄せると、直ぐに流芯に戻ってしまう。かれこれ20分近くかかってやっと水面に引き上げたら、見たこともない大きさのブラウン。途端に、この夏、足下まで引き寄せて逃したサクラマスの顔が目に浮び、全身が硬直してしまった。それでも何とか岸に引きずり上げることに成功。少し落ち着いてから、友人にどんなもんだと声を掛けたら、声がうわずっていると言われた。この余勢を駆って、来シーズンこそサクラを釣りあげたいと思う。 |