憶測
ドラマは既に3日前から動いていた。
大河に遡上するチェリーサーモンの消息を追跡する流離。山形県のサクラマスの解禁と同時に私たちにとってそのことは始まっていた。
季節は冬から春に変わる。河は、不意に訪れる春の兆候に目覚める。雪が雨となった嵐の日に、冬期の減水から河は目覚め、ダブダブの流れになる。チェリーサーモンはそのダブダブの流れに浮き、河口から遡り始めるんじゃないか?
そんな風に思い始めた釣り人の憶測。そして、また冬が春に負けじと巻き返しに来たとき、河もまたおとなしさを取り戻す。そのとき、ダブダブのハイウオーターに乗って遡っていたチェリーサーモンたちも、急の減水に戸惑い、どこかにたじろぎ停泊するのではないか。その時がフィッシャーマンの狙い時ではないのか・・・。そう憶測するようになった。
その時は、いつ訪れるのか。そして遡上中の自然の変化に戸惑い、停泊させられてしまっている場所はどこなのか? 私たちのさすらいはそれを予測し、状況をこじつけながら釣りをやってみること。釣りをしていること。ロッドを振っていること。フライを流していること・・・。
昨年、遠藤昭弘氏(以下遠藤親父)と附田氏が、その日があることを実証してくれた。だから、今年もきっと必ずその瞬間はあって、きっと釣れる日は来ると期待し、その瞬間を待ち、釣りに出かけていた。