限界と思われるところまでロッドを曲げてみて、サイドからプレッシャーをかけたら、物凄いトルクで下流に向かって走って行った。石に引っかかった訳ではなかった。単に魚が重かっただけ。
しかし、そのトルクの凄さである。スピードそのものはそんなに感じないのだが(それでも100m近く走るのに10秒かかっていない)、重量感はかなりの魚である。
遠くの水面で高くジャンプ。大きい。
フックはダブルフック…。あまり無理は出来ないが、ほんの少し無理をしないと、魚に負ける。ジレンマと疲れてきた筋肉。100mほど先でだんまりを決め込む鮭。強風で糸鳴りがしているフラットビーム。
思い起こせば2年前、疲れてきた腕の筋肉に限界を感じ、強引に鮭を引き上げ、ランディングで失敗を繰り返した。苦しくなった自分が先に仕掛けて、余裕のある鮭にまんまとやられた。
ここが勝負所。魚も苦しい筈。
上流に下流に走った鮭も、いよいよ岸に寄ってきた。フックはそこそこ良い所に刺さっている。2回、3回…、いや5回、6回反転されはしたが、漸くテールを掴んで岸にずり上げた。
大きい。前年に釣った11キロより、重さもさることながら長さもあり、何より口がでかい。
14.1キロ、110cm、オスの鮭だった。 |