プリミエール・ストーリー

1979年、沢田賢一郎によるカーボンロッドの試作が始まりました。
翌1980年、一連のシリーズが完成。ここにカプラスフライロッドが誕生したのです。

最初に製産したロッドの多くを、当時としては大変スローなテーパーに仕上げました。キャスティング性能を重視したためです。
その中で最もティップアクションに仕上げたロッド。それが9フィート1インチ、#7−8というモデルでした。

1980年代のプリミエール。ロゴマークは白。

ティップアクションと言うと、一般に、ティップしか曲がらず、長いラインを投げると直ぐにスラックが入ったり、テーリングを起こすロッドを連想しますが、このロッドは当時の他メーカーのロッドと比べると、ティップアクションとは全く無縁のロッドでした。
沢田賢一郎の狙いは、ラインの長さがどんなに変化しても、必ずティップからバットに向かって滑らかに曲がるロッドに仕上げることでした。デザインは成功し、何時、誰が投げても、全く素直なアクションを保ち続けました。誕生して間もなく開催された全日本のキャスティング・トーナメントに於いて、このロッドは一般の釣りに使われるモデルでありながら、2年連続アキュラシー種目の優勝ロッドとなったのです。3年目から常勝ロッドとなったスキッシュは、実はこのロッドの改造モデルでした。

1982年、沢田賢一郎がカプラスの一連のモデルに名前を付けました。シリーズ名は「アルティスタ」。それぞれの分野を完璧にこなす芸術家や職人と言った意味で、現在はコード名「AR」と表示しています。殆どのモデルがその当時からずっと製産され続けています。バンブーロッドの時代ならいざ知らず、変化の激しいカーボンロッドの分野で、同じロッドが20年以上も製産され続けていることじたい驚異的です。世界にも類がありません。理由は単に、それを越えるロッドが無いということに尽きます。

ロゴマークを赤と白に一新した1990年代前半からのプリミエール。

ロッド固有のモデル名も個性的でした。

「オリエンタル(7'2" #3)(東洋風の)」は日本的な渓流用ロッドをイメージ。
「インベンション(7'7" #4-5) (発明)」は当時のカーボンロッドの常識を覆した発見と、鍵盤楽器用の歯切れの良い短い曲を掛けたもの。
「レガート(8' #4-5) (なめらかな)」はその名の通り滑らか。
「パバーヌ(8'3" #5-6) (ダンスの一種)」は「孔雀の舞」ように優雅なアクション。
「マエストロ(8'7" #6-7)(巨匠)」は巨匠そのもの。
「マキシマ(9'8" #9-10)(極限)」はシングルハンドの限界ロッドとして命名。今日までそれは変わりありません。
「ランドロック(15' #12)(陸封された)」は最初のダブルハンドロッド。陸封された大型のマスを狙うために製作。(当時、サクラマスは対象魚でなかった!)

そしてプリミエール(9'1" #7-8 )。これは、「一番」という意味。沢田賢一郎はこの名前を、完璧なアクションを備えた9'1"のロッドに付けました。それ以降20年間に亘って、プリミエールは「一番」であり続けました。沢田賢一郎のプロデュースするキャスティングの本・ビデオに練習用ロッドとして必ず登場してきたのは、言うまでもありません。

現在のプリミエール。ロゴマークはケンサワダ・グリーンと白。
トロフィーと一緒に写真を撮ったとき、左右どちらかのマークが見えるようにデザインされています。

一人で何本も同じロッドを持つ。普通はあり得ないことですが、プリミエールやマキシマはそれが当然のように行われた希有のロッドです。
「プリミエールで学び、マキシマで卒業する」日本の名キャスターと言われる人が、どれほど多くこの課程によって生まれたか。
20年の歳月を経て、今やプリミエールは父から子へと受け継がれることも珍しくなく、誇り高い歴史と伝統、そして未来を、なお描き続けています。



Ken Sawada AR PREMIERE

Length 9'1" #7
Price 56,700円(税込み)

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