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'04  2004ガウラ釣り紀行 Atlantic Salmon 86cmと87cm,  5.8kgと5.9kg!
平野 秀輔 (ひらのしゅうすけ) 東京都在住  Shusuke Hirano in Tokyo 【Japan】
フライフィッシング歴21年 / サーモンフィッシング歴5年 / 元全日本キャスティングチャンピオン
Shusuke Hirano Salmo Salar
4日目にしてやっと釣った2本目。5.9kg。しかし、この後が続かなかった。
MY TROPHY | MY RECORD
魚種 Species Atlantic Salmon Salmo Salar
体長 Length 86cmと87cm
体重 Weight 5.8kgと5.9kg
フライ Fly & Hook Size Fishing Fire tied on Hybrid Tube
Black Fairy on Plastic Tube
ロッド Rod KS SS 1712D Limited HARD ACTION
リール Reel KS SU SALON II The Cherry Salmon Limited
釣った日 Date of Catch 2004/07/04 - 10
釣った場所 Place of Catch in the River Gaula
IMPRESSIONS

kenwawada.comでは釣れない話はご法度・・・

それを承知の上で、今シーズンの釣りを、----今年のガウラではミディアムサイズが2本だけという貧果に終わったが----、サーモンフィッシングの過酷な状況を交えて報告します。

毎年のことだが、ノルウェーに出かける前には夢のようなことを考える。それは週の最初にサーモンを呼ぶ増水が起こり、それから週末まで減水が続き、ハイウォーターからローウォーターまでの釣りをするという願望である。今年はまさにそれが当たった。水位の動きは最高の条件であった。しかし結果として、またサーモンフィッシングの隘路にはまることになってしまった。

ブリッジプール


土曜日の深夜にストーレンに入り、翌日曜の正午から8時までフリーになるため、主だった釣り場を見て回る。フロセットの橋の水位計は110㎝。増水があったためハイウォーターとなっている。これから順調に水位が落ちるとすればまさに絶好である。

レナ、ラングワ、沢田さんが15㎏を釣ったジャンクションプールと一流しずつ釣り渡る。今日は当たりがなくても関係ない。川が去年からどう変わったか、それぞれのプールのどの場所でフライの流れ方が変わるかを確認するのが目的だ。

フリーのブリッジプールは人が多いだろうから、今日はチェックができないだろうと思いつつも、上からだけでも見ておこうとログネスの橋に立ったのは午後4時だった。案の定ギリーを含めて3人が右岸に入っている。しかしよく見ると釣りをしているのは一人だけだ。さらにその一人は大分ご年配の方で、これから休憩を取ろうとしている。それでは、とギリーに断り一流しだけさせてもらうことにする。

今年も又ここに来ることができた。そして去年、4時間粘ってやっと釣ったサーモンの思い出が込み上げて来る。年々小さくなってきているプール中央の深み、通称「すり鉢」を眼下に眺め、ハイウォーターだからとタイプⅢにハイブリッドのフィッシングファイアー#2を付けて釣り下る。

すり鉢の上流までは丁度良い速さで流れたフライが、すり鉢の中に差し掛かるとすぐにそのスピードが落ちる。「少しラインが重すぎたか」と思ったがそのまま釣り下ってしまった。これが失敗の原因である。そしてすり鉢の終わり付近の駆け上がりにフライが差し掛かり、また加速を始めた頃、いきなりフライをひったくるような鋭い当たりが来た。
一年ぶりの一匹。5.8kg。ここまでは好調だった。

「やった」と思いロッドを下流に向けるとリールが程よく逆転を始めた。見ていたギリーも歓声を上げる。「それでは」とフッキングに入ると、大きくしなるはずのロッドが全く曲がらない!サーモンがフライを離してしまったのだ。あんなにいい当たりだったのに。やはりラインが重すぎたのか。今年はこのようなことが多い・・とは後日聞いた話である。

すぐにラインをタイプⅡに変え、それから二流しほどブリッジプールを攻めさせてもらったが、もう何も起こらなかった。しかし、いくらフッキングしなかったとしても初日からサーモンの当たりがあったので今週は十分に期待が持てる。そこで、そばにいたギリーに最近はどれくらい釣れているのかと聞くと、信じられないことに先週は全く不調で、特に金曜日から誰もサーモンを釣っていないという。本当だとすると何か変だ。そういえば昼に会ったバレンティンも何か浮かない顔をしていた。実はこれがその後一週間の前兆であったとは、その時は夢にも思わなかった。

レナプール


日付が変わった月曜日の午前4時。去年とはかなり流れの変わったレナプールに着くと、前の組のメンバーがたった今サーモンをバラしたと興奮している。どこだと聞くと、アッパーレナの最下流にある樅の木から送電線の手前だという。そこは一旦ゆるくなった流れが再び加速する場所だと昨日の下見で分かっている。やっぱりあそこか。

水位は80㎝まで落ちている。水温は11度。そこでラインをインターミディエートとし、フライはまだ水がオレンジ色に見えるのでフィッシングファイアー#2を結び、送電線の30mほど上流から釣り下る。送電線が近づくにつれ、緊張が高まってくる。いよいよフライが加速する地点にさしかかると、あと3投以内にサーモンがやってくるという予感がした。

そして特に慎重にラインを投げた1投目、何も起こらない。2投目、やはり何も起こらない。もうサーモンはいないのかと思って投げた3投目、フライが着水しアクションを与え始めた瞬間、力強い当たりが電流のように全身を貫き、リールが最高とも言える響を奏でながら逆転した。慎重にフッキング。ロッドが十分に曲がる。よし今度こそ大丈夫だ。やった。今年もサーモンに会えた。思わず周囲を見回す。ここはガウラだ。正面に見える樅の木、右岸に広がる川原。今年もこの景色の中でサーモンとファイトしているんだと、一年ぶりの再会を確認した。

例によってロッドを寝かせ魚を真上から引くように慎重にラインを巻き取る。すると魚はほとんど抵抗なく上流についてきて、リーダーが見えるところまでするすると寄って来た。しまった、少し巻き過ぎた。このままでは弱らない。かといって走る様子もない。仕方がないので上流側からバシャバシャと音を立てて流芯に入って行くと、サーモンは驚いて下流に走った。鮎の友釣りで泳がない囮を動かすのと同じである。ちょうど良いところまでラインが出たのでポンピング。するとまたすぐに寄ってしまう。又追い払う。又寄る。小ぶりのフレッシュフィッシュには良くあることだ。4回目でやっとサーモンに空気を吸わせることができ、そして慎重にランディング。思ったほどフレッシュではないが取り敢えず1本目。86㎝、5.8kgのメスだった。

サーモンが止められない、そして大増水


ビートBレナ・ラングワは昼の12時までであり、まだ持ち時間は7時間もある。「今日は3本釣ってストップフィッシングか」とその後も楽観的ながら気合を入れて釣り続けた。しかしその後は全く当たりがない。時折サーモンがジャンプするが一向にフライに振り向かず、何かに憑かれたかの様に上流に上がっていく。サーモンが止められない!さっきはフィッシングファイアーで止まったのに(東京の沢田さんに電話をかけて聞くと、そういった時はフライもラインもいろいろ試してみなければ駄目だという事だった。たまたまフィッシングファイアーとインターミディエートで釣ったばかりに、ひとつの釣り方に固執してしまった未熟・未熟・未熟。)。

魚を釣ったにもかかわらず、その7時間後には全く自信をなくしていた。さすがに疲れて車に戻り、林道に向かう川原にできている小さな分流を見ると、来た時より流れがなんとなく早く見える。上流の空を見上げると真っ黒な雲。増水だ。それもかなり急なものだ。サーモンを追ってロングプールに行こうとしたが、この増水のせいでサーモンはフライを無視したのだろう(本当にそうかどうかは分からない)と勝手に解釈すると少し気が楽になり、それではとホテルに戻ることにした。この後水位は夜半に2mまで上がってしまった。

ハイスピードフィッシュ


ホテルに戻りラグースとバレンティンにサーモンを見せると、二人とも満面の笑顔となり、それぞれそこ行く人達にサーモンが釣れたと言い回した。たいした魚ではないのに結構な騒ぎである。先週の後半3日間は誰も釣れなかったので、この1匹は朗報だと言い、ラグースにいたっては記念撮影まで始める始末となった。そうこうしているうちに馴染みのギリーであるサイモンがやってきた。“Good Fish”と例によってお世辞を言われたので、昨日からの出来事を話すと彼はとても興味深い話をしてくれた。彼の話によると、今年のサーモンは数が少なく、移動スピードがとても速いので、ほんのわずかなチャンスを逃すと全く釣れないという。また何時になくフライの選択がシビアだという。そう言われてもこの時は何かまだピンと来るものがなかった(やっぱり未熟)。
フロセットの橋につけられているゲージ。水位は2メートルを超えたことが分かる。

ところでピンクのフライはあるかという。「ああアクアマリンスクイッドのことか」と思いフライボックスから一つ取り出すと、「これは使っている人が少ないからすごく効果的なんだ」と言い、手にとって入念に眺めている。要するに一つくれと言っているのだ。如何にもサイモンらしいので、そのまま持って行かせることにした(余談だが3日後、サイモンはガウラフォスでこのフライを客に使わせて、フレッシュを何本か取ったらしい)。

大増水のブリッジプール


火曜日の朝6時からブリッジプールが始まった。2mまで達した水位は170cmとなり、増水の後の減水という絶好のタイミングがやってきた。プールに着くと前の組は釣れていない。あと6時間以内に魚はプールに入ってくるのだろうか。

当然ブリッジプールの水は岸近くまで膨らみ、一度はやってみたいと思っていた手前側を重いラインでという釣りを始める。タイプⅣのラインにスティングレイロングテールを結んでいると、先に入っていたイギリス人のフォアマンが「何かに触った」と騒いでいる。そうか魚はいるのかと思い、慎重に釣り下っていくと、やがてコツコツと小さな当たりがあった。慎重にフッキングをすると何かとても軽い。しかし魚の振動はある。なんだろうと一気に手繰り寄せると、30cmを少し超えたネイティブのブラウンが銜え切れないロングテールに食い付いていた。フォアマンと二人で大笑いしてしまう。こんな魚に二人とも色めき立ったのかと。

今回、共に廻ることになったイギリス人のフォアマンは、魚が釣れるまで十時間以上も粘るタフなアングラーだ。ガウラの常連で、今年も6月、7月、8月と一週間ずつ予約を入れている。そんな彼と二人だとお互い一歩も引かない。いいプールが廻ってくると二人とも時間一杯まで粘りまくる。一人でビートの予約を入れた時にはどんなアングラーと廻るのかと少し心配になり、中途半端なアングラーではなく、ハードか全く淡白なアングラーのどちらかがいいと思っていた。フォアマンは紛れもなくハードなアングラーであり、こちらも必死に釣りをすればいいだけなので何の気を使う必要もない。そんな二人で昼の12時まで休みなくプールを攻めたが、その後は何も起こらなかった。

ホームプールのフレッシュフィッシュ


これだけ増水するとサーモンが何時フォスを越えられるかが心配になる。ひどい渇水だった去年は少しでも水が増えて欲しいと思っていたのに。今は少しでも早く水が引いて欲しいと思っている。本当にアングラーは勝手なものだ。

今年は130cmでもサーモンがフォスを越えることがあったという。夜中の2時にフロセットの水位を見ると120㎝。130cmでフォスを超えたならそろそろNFCのビートに来てもいい頃だ。持ちビートはA。NFCの最下流である。ビートの中でも、とにかく下流がいいだろうとホームプールへ向かった。
2本目のフレッシュフィッシュ。野鳥に目を食べられないように、石を乗せておく。

午前3時に着いたホームプールにはギリーが二人のアングラーを連れてきていたが、サーモンが釣れるどころかジャンプも全く見なかったという。まだ来ていないのかと思い、ゆっくり支度をし、彼らと入れ替わりに岸に立った。水温は9度と増水のためか少し下がっている。この状況だったら少し緩い所にサーモンはいるだろうと、プールの流れ込みより大分下から釣りを始めた。ラインはこの時期の定番どおりインターミディエート、フライは沢田さんに電話でアドバイスをいただいたブラックフェアリーとした。

増水のホームプールはその終わりが池の様に流れが緩くなり、手前側が逆流している。その逆流している地点にフライがさしかかったときに小さな当たりがあった。この当たりも懐かしい。シートラウトだ。しばらくほって置き慎重にラインを巻くと40cmほどの小さなシートラウトがフライを銜えている。いちいちリリースするのも面倒とハイスピードでラインを手繰ると、フックが外れ急いで深みに帰っていった。

サーモンは未だ着いていないのか。もう少し時間を置こうかと思ったが、上流を見ると先ほど流さなかったプール最上流の流れ込みが何か怪しい。前の組もほとんど触っていないはずだ。そう思い、プールの最上流に向かい、流れのきつい瀬の中に立って、対岸に向かってフライを投げ始めた。

5投目、フライが流芯を横切り、幾分流れの穏やかな所に差し掛かったとき、コツコツという当たりの後に程よいスピードでリールが逆転し始めた。「こんなところにもシートラウトがいるのか」と十分にラインが出たのを確認し、慎重にロッドを岸に向けてラインを張った。意外に重い!それでもロッドを寝かせラインを巻き取ると大した抵抗もなく付いてくる。やっぱりシートラウトかと思い、一気にリーダーが見えるところまで巻き上げると、魚はいきなり反転し下流に60mほど疾走した。

シートラウトにしてはいいサイズかもしれないとロッドを寝かせたまま寄せる。あと20mのところまで巻くと再び激しくラインを引き出していく。シートラウトのトロフィーかもしれないと考えたとたん、80m先で魚がジャンプした。「サーモンだ!」。やはりもうここまで来ていたのか。サーモンと分かればファイトは慎重だ。瀬の中だから結構いいファイトをするが、トロフィーサイズでないことは分かっている。一歩も引かずにファイトを楽しんだ後に上がってきたのは87cm、5.9㎏のメス。シーライスこそ付いてないが、ランディングと同時に鱗がはがれるフレッシュフィッシュだった。

よし、フレッシュサーモンが来たぞ。これからのビートはA,B,Cと上流に向かっていく。ここから釣りまくるぞ。と大いなる期待をしたのだが、この後に地獄が待っているのをこの時には知る術もなかった。

サーモンに翻弄される


ホームプールでそれから一時間ほど粘ったが後が続かないので、サーモンが通過したかと思い上流のニュープールに行くと、フォアマンが1匹ランディングした後だった。やはりサーモンは来ているのだ。フォアマンもさすがに疲れたらしく、お互い一匹づつ釣ったので少し休憩しようということになった。考えてみればこれがまた間違いだったのかもしれない。
大増水のブリッジプールを釣るフォアマン。2人で釣れたのは小さなブラウンだけ。

昼の12時からはビートBであり、その前にもう一度ホームプールを見に行くと、他のアングラーから11時ごろサーモンが通過するのを見たと聞いた。するとレナに着くのは13時頃かと勝手に予想をつけた。そして13時、レナプールに立つ。しかし天候がまた変わるのか凄まじい風が吹いており、水面が波立っている。そのせいでフライが思うようにターンしない。何とか工夫しながら投げ続け、ようやく樅の木の前まで来ると予想通りにその20m程下流でサーモンがジャンプした

「よし、来た」とラインを投げる。フライラインは予定通りの軌跡を描いたが、あまりの強風のため1.5m程まで詰めたにもかかわらずリーダーがうまくターンしない!格好悪く落ちたフライのすぐ下でサーモンがまたジャンプ!やはり落ち方の悪いフライは無視された。

時間の読みも場所もすべてうまく行ったのに何と言うことだ。それから12時間、レナに張り付いた。むきになって投げ続けたがこれも間違いであった。この間上流のラングワではフォアマンともう一人がそれぞれサーモンを釣り上げていた。聞くと風が止んでいる一瞬にうまくフライが深みに届き、その時だけサーモンが食い付いたという。

ラングワでもこの水位なら魚が止まるのだ。この失敗を期に歯車はどんどん狂って行く。キャスティングも乱れ、選んだフライにも全く自信が持てなくなって来る。しかしいくらなんでも、もう少し魚が見えていいはずだ。結局レナで見た魚はあの無視されたものだけだったし、ラングワで釣ったフォアマンも全く魚を見ていないという。

木曜日、金曜日、土曜日の午前中と魚が見えない日が続く。フォアマンと共にブリッジプールとレナは時間いっぱい粘り、他のプールも体力が許す限り釣り渡る。しかし他のアングラーも釣れていない。ブリッジプールとレナに良い時間に入った人だけが釣れ、それでも一日2本程度である。おかしい。サーモンが来なくてもこの状況だったらグリルスが来てもいいのに。本当にサイモンが言うように魚が少なく、移動が早いのだろうか。NFCのギリー達に聞くと、フォスではフレッシュが釣れているという。つまりあの増水によって海からガウラには来ているのだ。水位が下がったのに魚は何故かすぐにはフォスを越えようとしない。そういえば去年もフォスより下流のルンダモに魚が溜まって、上流にはなかなか上がってこないという話を聞いたことがある。

幾ら釣れないからと言って、フライが水に着いてなければ可能性はゼロだ。体に鞭打って土曜日の夕方、ロングプールに立つ。水位はもう50cmを切っている。火曜日のハイウォーターが嘘のようだ。そこでやっとサーモンの群れに遭遇する。しかし体色は茶色か黒、つまりカラードフィッシュだ。カラードはなかなかフライに食い付かない。フローティングラインの先につけたダブルフックのグリーンワスプも、去年はあんなに自信を持って使ったエムシュリンプもことごとく無視される。キャスティングも乱れている。もう止めようか。

へとへとになって川原に戻り、けだるく寝転がりながらフライボックスを覗くと、超ローウォーターの時のためにと、#1のプラスティックチューブに繊細なマテリアルを巻いたブラックフェアリーが目に留まった。あまりにも弱々しいので今まで使うことがなかったが他に何の考えも浮かばなかったので、これを‐4Xに#8のフックをつけてセットした。それと同時にキャスティングも見直した。釣れないで疲れているため悪い癖だけが出ている。むきになっていいラインを投げようとフォルスキャストの段階から力んでいる。それではいけない。

自分の場合、フォルスキャストはループが出来ない位のいい加減さで丁度いいのだ。ティップが弧を描くようにロッドを振ってピックアップし、バックキャストを高くスロースピードで上げる。シューティングだけ早く振る。するとフライは水面を叩く。やっと思い出した。これでなくちゃ。
大増水の後は一気にここまで減水。川は生きている。しかし、ちょっと激しすぎやしません?

何となく気分が少し晴れた10投目、とうとうサーモンがフライに食い付いた!しかしこういう時に限って例のシブシブフィッシュである。1分ほど待ち、下流に3メートルほど下がってからフッキングに入ったが、やはりフライはすっぽ抜けてきた。釣れてないから待てない。去年は7分待てたのに。あるいは下流ではなくてまっすぐ後ろ、つまり岸側に下がればラインの角度が良くなったのかもしれないとも考えた。待てよ、去年はもう一度食い付いてくれたよなあ・・。頼むからもう一度と、その後4時間もロッドを振り続けたが、振り向いてくれる魚はいなかった。

そして最終日。往生際悪くまたバレンティンに頼んで日曜日のフリーになったビートを釣る。減水ですっかり浅くなったレナプール。一点に立ちフライを投げ続けていると又カラードフィッシュの群れがやってきた。しかしフライを何に変えても止まらない。そのうち邪魔だと言わんばかりに、サーモン達はフライラインをジャンプして通り過ぎる。こんな時はタイプⅡと大きなフライが効くこともある。しかしベストのポケットには替えのフライラインが入っていない。極度の疲労で忘れてしまったのだ。終わった。2004年のガウラは2本で終わってしまった。最後は本当にサーモンに翻弄されてしまった。

That’s Salmon Fishing!


幾ら魚が少なかったとはいえ、帰国してから冷静に考えると初日のブリッジプールと、最後のロングプールの失敗は明らかにミスである。そして終わってからだから考えられることではあるが、プールの選択、釣る時間も間違っていた部分が多い。そして去年はカラードを2本止めたが、それはたまたま止まってしまっただけだと思い知らされた。 

当たり前のことだが、未だサーモンフィッシングの何も分かっていなかったんだとつくづく思う。まだまだ駆け出し。
来年に向けてフライも一から作り直そうと考えていると、フォアマンからメールが来た。「お前みたいにしゃかりきな奴と釣りが出来て楽しかった。二人ともあまり釣れなかったけど。これもThat’s Salmon Fishingさ。」

“That’s Salmon Fishing” なんて言うにはまだまだ早いと思うけど、一言で言うとそういうことなのか・・・。