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魚がいないところで釣りをしてはいけない!

沢田賢一郎はいつも、悩み多き釣り人たちに、「魚が居ないところで釣りをしてはいけない」とアドバイスをしている。「釣れない釣りを続けてはいけない」とも。

目下、我々は正しくその「魚がいないところで釣りを」・・している。しかも、「釣れない釣りを」・・続けている。
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今日は雨模様で、ここ1週間続いた雪解けのリズムが狂った。水量300m³をほぼ維持したまま、極端な増減も無く、雨水をたたえながら、川は膠着状態を保った。魚の動きは見られなかった。
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今年の状況、即ち、冬が長く、春が遅れ、雪解けが解禁後に大きくずれ込んだのは25年前にもあったという。その年は解禁日にパラッと僅かに釣れた後、次の群れが遡上したのは6月20日だったという。

6月20日? 我々はすでにこの釣りを終えて帰国しているよ。

さて、こんな状況でいかにしてサーモンを手にするか。本来なら一端引き上げ&出直しなのだが、遠くノルウェーまで来てしまうと、さっさと帰る訳にも行かない。じっくりサーモンが来るのを待つしかないのだ。

6月のガウラは、いつもリスキーだ。特に上流は水量やサーモンの遡上の状況で、プールに1匹もいないということもある。そうした6月のリスクを回避するため、我々は下流にもビートを取って備えてきた。

対策は万全のはずだった。しかし、今年はその下流にもサーモンがいない。しかも、ガウラを含むトロンハイム・フィヨルドに流れ込む川はどれもみな同じ状況だという。
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ガウラがダメなら他の川へ・・という選択肢もない。

覚悟は決まった。サーモンが海から遡ってくるまで、目一杯待ちながら釣りを続けるのだと。わずかなチャンスのために、せめて丁寧にフライを流しながら・・・。

そういう成り行きになって、午後7時だったか。マリーアンに待望のカンカンというアタリ。なかなか食わないのでそのままにして様子を見る。ちょっとだけロッドを上げたら、サーモンは勢い良く下流に走った。100メートルほど走られたから、ちょっとドラッグをきつくした。瞬間、フックが外れた。

後にも先にも、本日はこの1匹しかプールに居なかったのだろう。数が少なく、水温5度。食いが悪いのは当然だが、残念だ。

ROD: KS SW 1712H, KS SW ROGNES
REEL: KS THE HONEYCOMB Salmon II, KS SU Salmon II Burgundy
LINE: DST-12-S Type II, Type III, DSS-12/13-I
FLY: Shimmer Pattern
HOOK: ST4 #4, XD1 #2
Weather:Rain
TEMP A: 9-11℃
TEMP W: 4.0-5.5℃
Volume of Water: 310-350m³/sec