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TRAVELLER

オノン川のタイメン・フィッシング

平岩 豊嗣

次回はメーターオーバーを狙って

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どこまでも続く草原。手つかずの自然の川が流れる。
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スクールではマン・ツー・マンで「目から鱗」のコーチングを受ける。
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フライを投げ終わってから、いかに魚を誘うか・・。
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モンゴルの初ものはレノックでした。
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2匹目のタイメン。やはりメーターオーバーを目指したい。
モンゴルへタイメンを釣りに行こう。と、沢田さんに声をかけていただき、今回9月17日から1週間、モンゴルでのタイメンフィッシングが実現した。

成田からモンゴルの首都ウランバートルへ。飛行機で約5時間。5時間というと特に退屈することもなく、海外旅行としては楽な方ではないだろうか。時差がないのも楽だ。

ウランバートルで一泊後、翌18日にヘリで2時間飛び、現地のキャンプへ。ヘリからの景色はもちろん初めて見るもので、草ばかりの、文字通りの大草原に感動。山にも木が少ない。日当りの良い南傾斜面にはほとんど木が生えていない。どうしてなのかモンゴル人の通訳に聞いてみたが、的を得た説明にはなっていなかった。

人の手が全然くわえられていない原始の川を見ると、三日月湖のできる過程なんかが手に取るようにわかる。

それはさておき、到着後、何はともあれオノン川へ。まずここで沢田さんのタイメン・フィッシング・スクールだ。この時の沢田さんのテクニックには感心した。ビデオでは見ていたが、実際に目の当たりにしたのは初めてで、早速日本の川でも試してみようと思った。

スクール終了後、短時間だが釣りをする。しかしこの日は何事もなく終わる。

19日からいよいよ戦闘開始。気合いを入れてロッドを振るが、この日はレノック1匹のみ。

「なんじゃい。レノックかい!」と思ったが、モンゴルでの初物。それに50cmを超えていて、取りあえず記念撮影。それにしても、別名小口マスと呼ばれるおちょぼ口のレノックが、20cmもあるローズマリー・ロングテール(3インチのハイブリッドボディ)をよくも食べたものだ。

我々が着く前にモンゴルに初雪が降ったりして、オノン川の水温が急に下がったようだ。この日まで全般に不調。

翌20日。午前中にレノックを2匹。他にもレノックらしきアタリが数回。何となく状況が好転しているような予感がする。

午後は沢田さんに付いてもらい、マン・ツー・マンのコーチングを受けながら、念願のタイメンを2匹。メーターオーバーを期待したが、76cmと88cmだった。

21日はレノック3匹と、絶対に釣りたくなかった、気持ちの悪いホワイトフィッシュを1匹。(しかも立派なやつが・・)

話は変わるが、我々の足となってくれたのはロシア製のプルゴン。この車は実に頼もしいやつだ。とんでもないオフロードを走り抜け、川渡りも楽にこなす。1台欲しくなった。故障が多いのがたまにキズだが。

そして最終日の22日。せっかくモンゴルまで来たのだからと、土産話にドライフライで釣っておこうと、プリミエールにスペックルドセッジを結び、ハリウス(モンゴリアン・グレーリング)を狙ってみた。3つほど釣ったところで、同行の平野さんが96cmのタイメンを目の前でランディング。

これでまた火が付き、午後から再び13番ロッドに持ち替え、タイメン釣りに逆戻り。狙った場所で狙い通りにかけたのだが、痛恨のバラし。最後の日だからきちっとランディングして締めたかったのに・・。来週また来てリベンジという訳にもいかず、膝が震えるほど悔しい。

23日の朝、プルゴンでウランバートルへ向けて出発。大草原を延々10時間以上の旅だ。と言っても、見る物、聞く物みんな初めてのためか、退屈せずにウランバートルに到着。

1泊後、成田へ。オフロードばかりと聞いて、我が腰は大丈夫かと心配しながら出かけたが、何事も無く、そしてタイメンも釣れたし、まずまずの釣行といったところか。

それにしても、2インチのボディのロングテールはでかいフライと思っていたが、今回使ったフライはこれが最小だ。タイメンには今までのフライに対する観念は通用しないようだ。タイメンは獣だ、と思った方がフライの選択がし易いかもしれない。実際、大口を開けてフライに噛み付いたときは、まさに獣のような顔に見えた。

最終日にバラした奴に未練が残るし、メーターオーバーも釣りたいし、オノン川のあの流れが頭にこびり付いて消えそうにない。絶対にもう一度行きたい。